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「リバースモーゲージ」は高齢化社会の救世主になれるか?

最近よく見聞きする「リバースモーゲージ」。リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保に入れ、その評価相当額を一括、もしくは毎月一定額を年金のように受け取るローンのこと。年金不安の中、高齢化社会の救世主となれるのでしょうか? その課題と留意点を考えてみました。 [川瀬太志,Business Media 誠]

高齢化社会の救世主「リバースモーゲージ」とは?

高齢化社会が到来しています。日々の生活費や医療費、介護費、老人ホームの入居費用など、今後ますます老後の生活資金への不安は大きくなっていきそうです。そんな中、自宅を担保にして老後資金の融資を受ける「リバースモーゲージ」が注目されています。さて、リバースモーゲージは、高齢化社会の救世主となれるのでしょうか?

みずほ銀、リバースモーゲージに参入 メガ銀で初

みずほ銀行は7月から、戸建住宅の土地を担保に融資するリバースモーゲージの取り扱いを始める。高齢化の進展で高齢者の生活資金への不安が高まっているのに対応する。メガ銀行が参入するのは初めて。顧客数の多いみずほ銀の参入で、普及に弾みがつく可能性がある。

(2013年5月20日付 日本経済新聞)

老後資金が必要になったときに、ローンが終わった自宅を売却すれば資金は得られますが、住むところがなくなってしまいますよね。でも、リバースモーゲージなら自宅に住み続けながら老後の資金を受け取ることができる、というのがメリットです。

みずほ銀行はリバースモーゲージの潜在需要を5兆円規模とみて、「そのうち1~2割のシェアを目指す。当初はまとまった資産のある層を念頭に置いている」とのことです。

では、どれくらいのローンになるのかイメージしてみます。

例えば、都内一戸建てに住む60歳の人がいるとします。土地の評価が4000万円あるとすると、元金と利息込みで評価の50%相当である2000万円の融資が受けられます。平均金利を2%弱程度とすると、おおよそ元金1600万円+利息400万円になります。その元金1600万円を85歳まで(25年間)毎月受け取るとすると、月々およそ5万円程度になります。年金に加えて、月5万円あれば何とかやっていける、というところでしょうか。

リバースモーゲージの課題

政府も、リバースモーゲージの普及に力を入れ始めています。その背景には、言うまでもなく高齢化社会の進展があります。2020年には65歳以上の世帯が30%を超える見通しです。

まず、リバースモーゲージで老後の生活不安の解消につなげるのが狙いです。また、自宅が現金化されることで、消費を促す効果やローン終了後の不動産流通市場の活性化も期待されています。でも、実際のところリバースモーゲージは制度上、まだまだ課題が多くあります。

リバースモーゲージのリスクは、大きく4つあります。

1.金利上昇リスク:途中で金利が上昇すると受け取れる額が少なくなる。

2.地価下落リスク:担保の評価額が下がると追加担保が必要になる、もしくはローンが途中でストップしたり、場合によっては返済を迫られたりする可能性がある。

3.長生きリスク:存命中にローンの受け取り総額が評価額に達してしまう可能性がある。

4.相続人リスク:本人が亡くなったあと自宅がなくなるので、配偶者や子どもがいる場合には住む場所が確保されていないといけない。

マンション室内

(写真はGoogle画像検索より)

リバースモーゲージは、最終的に自宅を売却してそれまでに行った融資の利息と元金と手数料を回収する仕組みですから、現実的にはある程度地価の高い地域に限られてしまいます。

また金利変動や地価下落などのリスクを考えた場合、皮肉なことにリバースモーゲージに頼って生活しようとするような人には向きません。「ある程度財産に余裕がある人でないとダメ」という金融機関もあります。リバースモーゲージを扱っている金融機関は、まだまだ少ないのが現状です。

日本でのリバースモーゲージのさきがけと言えるのが、1981年から自治体として取り組んできた東京都武蔵野市ですが、その武蔵野市が今、その存続を見直しているそうです。

東京・武蔵野市、リバースモーゲージ見直し 貸付金回収できず

武蔵野市では81年から現在までに119件、17億円の利用があった。13年3月末時点での利用は18件で約3億円。しかし、地価下落や長寿命化などで、10年度には担保を処分しても貸付金を回収できない例が発生した。これまでに2件、約2500万円が回収不足となっている。

(2013年8月20日付 日本経済新聞)

回収不足が発生するのはある程度仕方がありませんが、約30年の間でたったの119件しか利用されていないというのは驚きです。やはり制度上、使いにくさがあるのだと思います。

家を買うなら資産価値の高い家を

しかし、中古住宅市場が整備されていて、かつ住宅の資産価値が下がらない欧米諸国では、自宅担保のモーゲージローンはごく当たり前に広く利用されています。

モーゲージローンは、自宅を売却して得られる価格近くまでは借りられます。つまり不動産に資産価値があるというのが大前提です。

この数十年間、日本は資産価値が下がっていくデフレ状態でした。建物には価値が認められず、さらに土地の値段も下がり続けました。リバースモーゲージの導入時期としては、最もふさわしくない時期だったと言えるでしょう。

団地

(写真はGoogle画像検索より)

今はまだ使い勝手が悪いですが、今後は良くなっていくかもしれません。まず、デフレ脱却を目指して政府が動いています。今、日本の土地価格はバブル前の水準まで下がっていて、すでに安定しています。保険との組み合わせで、長生きしても終身で受け取れる商品も出てきています。また戸建だけでなく、資産価値があればマンションでもいいという商品もあります。

今、日本の不動産評価は土地の評価が中心ですが、建物も一体として捉えて資産価値が下がらないような仕組みを政府も検討しています。

あなたがもしこれから家を買うのなら、将来のことも見据えて立地と建物をよく吟味したほうがいいです。ぜひ、いつ売り出しても相応の価格で買い手がつくような資産価値のある家を探してください。(川瀬太志)

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1310/08/news006.html

Business Media 誠」の記事を引用しました)

また、他に不動産担保型生活資金というものもあります。所有している不動産を担保に、毎月分割で生活資金を貸し付ける制度です。この制度を利用しなければ、生活保護の受給が必要となると福祉事務所が認めた世帯が対象です。年々増え続ける生活保護費を減らそうと2007年に導入されたもので、家を売却しなくても住み続けることができ、亡くなった時に借りたお金を返してください。というものです。条件は、下記のとおりです。土地に担保権が設定されている等貸付できない条件がいくつかあります。

1.不動産担保型 生活資金 ・低所得の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金
※貸付限度額:・土地の評価額の70%程度・月30万円以内・貸付期間借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間。
※据置期間:契約終了後3月以内
※償還期限:据置期間終了時
※貸付利子:年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率
※保証人:要、推定相続人の中から選任
2.要保護世帯向け 不動産 ・担保型 生活資金要保護の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金
※貸付限度額:・土地及び建物の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%)・生活扶助額の1.5倍以内・貸付期間借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間
※据置期間:契約終了後3月以内
※償還期限:据置期間終了時
※貸付利子:年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率
※保証人:不要
いずれの場合にしても、まず導入は資産価値の高い都市部から順次導入されていくと思います。また、日本の中古住宅市場は、古くなった建物は評価されませんので、欧米のように古い建物にも資産価値を見いだせるような基準作り及び建物自体の価値を高めるための構造・設備などの導入は欠かせないように思います。

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